『リーン・スタートアップ』
スタートアップに限らず、何かを生み出すときの考え方の手本となるバイブル的な本です。
考え方
- スタートアップとは、不確定な状態で新しい製品やサービスを作り出さなければならない人的組織である
- スタートアップにおける生産性とは、ものを作ることではなく、いかに顧客が欲しいものに早くたどり着くかである
- 起業とはすなわちマネジメントであり、スタートアップのマネジメントはスタートアップに適したマネジメント方法にする必要がある。
- 価値とは顧客にとってメリットを提供する物であり、それ以外は全て無駄である
構想段階
- ビジョン(目的)を設定する
- ビジョンはぶれないようなものにする。
- 問うべきなのは「この製品は作るべきか」であり、「このような製品を中心に持続可能な事業が構築できるか」である
- 仮説を組み立てる
- 価値仮説:顧客にとっての価値がどのように提供できるのか
- 成長仮説 :製品がどのように広がっていくか
構築ー計測ー学習
- このサイクルを短くすることが大事 -「かんばん」によるサイクルの管理では、計測する際の因果関係がわかりやすいように検証は1度に1つ
構築
- 最も重要な(=リスクの高い)仮説から必要最小限の製品(MVP・学びの中間目標)が何かを考える
- 顧客が分からないうちは何が品質かも分からないのでMVPに品質を求めては行けない
- 必要以上に作らないで、少しでも迷ったらシンプルにする
- アーリーアダプター(見込み客)に試しに使ってもらう
- MVPは動く物でなくてもよい。例えば以下の方法がある。
- 技術的に課題がある:動画で紹介する
- 需要があるか調べたい:製品の紹介と事前登録サイトを作って反応を伺う
- どこまでの機能があれば使われるかを検証したい:期間限定で無料利用にする
- コンシェルジュ型サービス:手動でコンシェルして試してみる
計測(革新会計)
- 仮説と実測を比較する
- MVPから得られた具体的な数値をベースラインとする
- コホート分析
- 虚栄の評価基準にまとわされないようにする
- エンジンのチューニング
- 数値目標を明確にして改善を繰り返し、ベースラインから数値を上げていく
学習
- 顧客と話をする
- 否定的な意見が多くても悲観的になる必要は無い。意見を聞けば良い。
- 要望として上がったものと、マイルストーンが一致していればよい
- 要望として上がらなかったものがロードマップにある場合、それはさして重要ではない物である
- 顧客は製品が提示される前にどういう物が欲しいか分からないことが多いので、反応を観測するとよい
方向転換(ピポット)
- ピポットするには正確な測定が必要
- ピポットするタイミングはプロジェクトによるが、あらかじめ時期を決めておくと良い
- ズームイン型ピポット
- ズームアウト型ピポット
- 顧客セグメント型ピポット
- 顧客ニーズ型ピポット
- プラットフォーム型ピポット
- 事業構造型ピポット
スピードアップ
- バッチサイズは小さくする。まとめて行うと、かえって効率が悪くなる
- 成長のエンジン(成長仮説)が正しく働いていること
- 失敗したら5回のなぜを問う。原因を人にしてはいけない。原因は仕組みにあり、それを改善する
アンチパターン(失敗する方法)
- 計画を忠実に実行した結果、「失敗を達成」する
- 一つしか試さない場合、アントレプレナーではなく政治家が増えてしまいます
- 思い込みだけのアイディアで長い期間プロトタイプを作成する
- 最初の失敗(否定的な意見)だけで諦めてしまうこと
- 最後の最後まで諦めず心中すること
- 作者: エリック・リース,伊藤穣一(MITメディアラボ所長),井口耕二
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2012/04/12
- メディア: 単行本
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